中津市が山国町で買い物支援 県内自治体で初、全集落を2台で移動販売 [大分県] – 西日本新聞

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 高齢化や過疎化に伴う買い物弱者支援策として、中津市は5日、市内でも高齢化が著しく、買い物が難しい山国町で移動販売車による生鮮食料品や生活雑貨の販売をスタートさせた。市によると、2台態勢で同町にある全76集落82地点を週2回巡回する。自治体が移動販売車の運営を担うのは県内初の試みで、同様の悩みを抱える他の地域のモデルケースとなるか、注目が集まる。

 市によると、山国町の65歳以上の高齢化率は50・5%(10月31日現在)で、市平均(29・6%)の1・7倍。過疎化も著しく同町唯一のスーパーは10年ほど前に閉店するなど町内で買い物をすることが難しくなっていた。同町宇曽の石川アヤ子さん(83)は「日田市まで買い物に行くにはバス代が往復1200円。町内にはコンビニもあるけんど、手間まで考えたら買い物を控えがちになる高齢者は多い」と窮状を訴える。

 市が移動販売車にかかわるきっかけは、1トントラックを使い、半世紀にわたり同町で移動販売をしていた木下弘子さん(74)=同町吉野=が廃業を決めたことだった。木下さんは「午前4時半に起きて、中津に買い出しに行くなど毎日100キロ走る。ほとんど休みもない過酷な仕事の割に利幅は薄い。地元のためと踏ん張ってきたがもう限界」と打ち明ける。

 市は、スーパーも移動販売もなくなることによる山国町のさらなる過疎化を懸念し、移動販売を引き継ぐことを決定。県の補助金を活用して1トントラックや冷蔵庫と冷凍庫を備えた倉庫兼駐車場を約1300万円で整備した。移動販売は、市が100%出資する「コアやまくに」に業務委託。仕入れのノウハウなどを吸収するために木下さんに当面勤めてもらうほか、3人を雇用した。

 2019年度以降、人件費などで毎年数百万円の固定費がかかる見込みだが、市は「移動販売車に人が集まることで世間話の輪もできる。生活に潤いが出る」と高齢者福祉の“効果”も説明する。

 移動販売がスタートした5日、生鮮食料品などを満載したトラックの周りには高齢者の笑顔があふれた。5年前に運転免許証を返納した同町宇曽の松永カズエさん(86)は「買い物は重荷で、1週間に1度行くか行かんか。おかげで週2回の楽しみができた」と喜んだ。同町中摩の井上三千子さん(82)は「コンビニはあるけんど、高いし、品ぞろえも高齢者には不向き。魚や野菜も多くて助かる」と品定めに夢中だった。市は今後、顧客の要望も入れながら商品を増やしていく方針にしている。

=2018/11/07付 西日本新聞朝刊=




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